高速通信が可能となり、今やモバイルアイテムの通信用としてだけではなく、自宅のメイン回線としても利用者の多いモバイルルーター。2017年最新のモバイルルーターを比較しつつ、おすすめの機種、キャリアをご紹介したいと思います。
モバイルルーターとは
ポケットサイズの小型通信端末。ノートパソコンやPlayStation4、Nintendo Switchなど単独で通信機能を持たない端末を接続することで、インターネット通信が利用できるようになるのがモバイルルーターです。他にもスマホを接続することで通信をモバイルルーター側に切り替え、スマホの通信量を抑えたりするといった利用も可能です。ポケットWiFiと呼ばれることも多いですが「ポケットWiFi」は主にSoftbankから出ているモバイルルーターを指す製品名なので注意しましょう。
モバイルルーターはこんな人におすすめ!
- 外出先でPCを使った仕事をすることが多い
- 自宅に工事を入れたくない
- 引っ越しの度に工事の手続きをするのが面倒
- すぐにインターネット環境が必要
- 必ずスマホの通信制限がかかってしまう
モバイルルーターキャリアの選び方
利用エリアの通信環境
大切なのは「エリアの広さ」ではなく、「自分が主に使う場所での電波の強さ」です。「人口カバー率90%!」を謳っていても、せっかく契約してきたのに肝心の自宅が圏外だったら意味がありません。UQ WiMAXは15日間の無料お試しが可能な「Try WiMAXレンタル」といったサービスなどがありますので、そういったサービスを利用して自宅の電波状況をしっかり確認しておきましょう。
最優先は月の速度制限の有無
1番大切なのは速度制限の有無です。月末近くなるとスマホの速度制限がかかってしまいお困りの方も多いと思いますが、モバイルルーターもキャリアによっては速度制限があります。速度制限には2種類あり、スマホと同じく1ヶ月あたりの通信量で制限がかかる場合と、直近3日間の通信量による制限です。まずは下記の表をご覧ください。
※表はプランなどによって異なります。詳細は各メーカーサイトを参照ください。
下り最大 | 月制限 | 3日制限 | 制限時速度 | 解除料 | |
---|---|---|---|---|---|
NTT docomo | 788Mbps | 最大30GB | なし | 128kbps | 1GB/1,000円 |
au | 440Mbps | 最大7GB or なし | 10GB | 1Mbps or 128kbps | ー |
SoftBank | 612Mbps | 最大7GB | 10GB | 128kbps | 1GB/1,000円 |
UQ WiMAX | 590Mbps | 最大7GB or なし | 10GB | 1Mbps or 128kbps | ー |
Y!mobile | 612Mbps | 最大7GB or なし | 10GB | 128kbps | 500MB/500円 |
ここで直近3日間の通信制限に着目してみたいと思います。3日間で10GBというのは通常のネット利用ではなかなか難しく、PlayStation4やPCで大容量のゲームをダウンロードしたり長時間動画を視聴したりしない限り達しません。以下が主なインターネットサービスの通信量の目安となります。
通信量 | 10GBに達する量 | |
---|---|---|
Web閲覧 | 約150KB(1ページ) | 約67,000ページ |
PCでYouTubeを視聴(720p) | 約70MB(5分) | 約12時間 |
PCでhuluを視聴(720p) | 約350MB(45分) | 約21時間 |
Spotifyを視聴(160kbps) | 約6MB(1曲) | 約1666曲 |
LINEで通話 | 約1.5MB(5分) | 約555時間 |
動画鑑賞に関しては画質を落とせば1MBの通信量でも快適に視聴可能。3日制限なら1日程度我慢すればまた快適な利用が可能となります。そのため注目すべきは1ヶ月あたりの通信速度制限のないキャリアであり、au・UQ・Y!mobileの3社がオススメのキャリアとなります。
モバイルルーターの選び方
バッテリー容量ではなく連続通信時間で選ぶ
自宅の回線として利用するのであれば問題はありませんが、外で使うことを想定している場合は連続通信時間に注目。いざ使おうとした時にバッテリー切れで使えなかったら本末転倒です。バッテリー容量が多ければいいわけではなく、通信方式や液晶の大きさなどによっては、バッテリー容量が少ない方の機種が長く通信できることも多いため、スペックを見る時はバッテリー容量ではなく連続通信時間に注目してみましょう。
有線接続可能なクレードル対応モデルを選ぶ
逆に自宅での使用を想定している場合は有線LAN接続ができるクレードル(充電台)を利用できるモデルを選ぶのがおすすめです。WindowsデスクトップなどはWi-Fi機能を搭載してないものも多く、モバイルルーターを接続するには別売りの無線LANアダプターなどを購入する必要が出てきます。また、PlayStation4などを接続する際も、できるだけ安定した通信を実現するために有線で接続したほうがいいですよね。
最大通信速度や余計な機能は気にしない
「最大通信速度◯◯Mbps!」などは一見すごそうに見えますが、あくまでも最大理論値なのでそんな速度は出ません。また、ただインターネットをしたり動画を見たりするだけなら10Mbpsも出れば最高画質で快適に楽しむことができますので、そもそもそんな速度は必要じゃないんです。アプリを楽しんだりできるわけでもないので、使い勝手に若干の差はありますが液晶の有無や機能、通信速度などはあまり気にしなくていいでしょう。
2017年最新モバイルルーター比較
機種名 | Wi-Fi STATION N-01J | Speed Wi-Fi NEXT W04 | Poket WiFi 601HW | Pocket WiFi 603HW |
キャリア | Docomo | au or UQ | SoftBank | Y!mobile |
下り最大 | 788Mbps | 440Mbps | 612Mbps | 612Mbps |
上り最大 | 50Mbps | 30Mbps | 37.5Mbps | 37.5Mbps |
回線 | LTE PREMIUM 4G | WiMAX 2+ au 4G LTE | FDD-LTE AXGP W-CDMA | FDD-LTE AXGP TDD-LTE |
バッテリー | 2500mAh | 2750mAh | 2400mAh | 2400mAh |
連続通信時間 | 約660分 | 約390分 | 約540分 | 約540分 |
外部端子 | 有線LAN USB3.0 Type-C | USB3.0 Type-C | USB3.0 Type-C | USB3.0 Type-C |
同時接続数 | 16台 | 10台 | 14台 | 14台 |
クレードル | 付属 | 別売り | ー | ー |
Wi-Fi STATION N-01J(docomo)
アンテナ内蔵クレードルが安定した通信を実現
付属のクレードルはアンテナが内蔵されているため、本体をセットすることで感度がアップし広範囲に電波が行き届くため、一戸建ての自宅などで利用する際に役立ちます。またIoT「Linking」に対応しているため、他の対応製品と連携することが可能となっています。
Speed Wi-Fi NEXT W04 (au・UQ WiMAX)
用途に応じて3つのモードを切り替え可能
携帯しやすいコンパクトなスティックデザインが特徴のモバイルルーター。データ通信量に応じて、通信速度やバッテリー消費を最適化する3つのモードを搭載。また、NFC内蔵で対応スマホとタッチするだけで接続することが可能です。
Pocket WiFi 601/603HW (SoftBank・Y!mobile)
型番は違いますが、基本性能は同じPoket WiFi。5G有力技術とされているMassive MIMOに対応しているほか、新たに3.5GHz / 1.5GHz帯に対応し、さらに高速で安定した通信に対応しました。また、約5秒の高速起動で使いたい時にすぐ使うことができるモバイルルーターです。
家で使うならSpeed Wi-Fi NEXT W04
外で使うならPocket WiFi 603HWがオススメ!
2017年の最新モデルの性能を比較してみていかがだったでしょうか? まず、N-01Jですがdocomoは速度制限があるので除外。残りの機種の注目すべき点はクレードルの有無と通信時間です。家で使うことを想定しているのであれば、バッテリーを気にせず安定した有線LAN接続が可能なSpeed Wi-Fi NEXT W04。外出先で使うことを想定しているのであれば、バッテリー性能がよく速度制限のないPocket WiFi 603HWがオススメということになります。