スト6の発売から格闘ゲーム(格ゲー)の祭典EVOも開催され盛り上がりを見せる格ゲー界隈。白熱した戦いに格ゲーを始めてみたいと思ってる方も多いのではないでしょうか? そこで今回は格ゲーにおすすめのコントローラーを解説していきたいと思います。
格ゲー向きコントローラーの種類と特徴
格ゲーといえば、皆さん思い浮かべるのはゲームセンターの筐体ではないでしょうか? 左手でレバーを操作し、右手でボタンを押すアーケードコントローラー(通称:アケコン)以外でも格ゲーをプレイすることは可能です。それでは、各コントローラーの特徴やメリット・デメリットを解説していきたいと思います。
アーケードコントローラー(アケコン・レバーコントローラー)
ゲームセンターでおなじみのコントローラーを家庭用にしたもので、ゲームセンターの雰囲気・操作性をそのまま自宅で味わうことができます。レバー入力によりコマンド入力がスムーズかつ、ボタンの同時押しがしやすいのが特徴で、レバーレス登場以前は、ほとんどのプロがこちらのコントローラーでプレイをしていました。
アケコンのメリット
- コマンド入力がしやすい
- 同時押しがしやすい
- 耐久性が高い・修理しやすい
- カスタマイズしやすい
アケコンのデメリット
- 本体が大きい(設置スペースが必要)
- 入力が曖昧になりがち
- 値段が高い
- 操作音がうるさい(カスタムで対応可能)
- 持ち運びが大変
- 運指が大変
レバーレスコントローラー(HitBox)
アーケードコントローラーのレバーをボタンに変更したもので、キャラクターの移動やコマンドもボタンで操作するコントローラーです。ニュートラル入力の必要がなくなり、理論値では最速でコマンド入力ができるのが最大のメリットでレバーなどでは10F前後かかる昇竜コマンドが最速で3F程度で出せるようになります。登場から世界的に有名なプロプレイヤーウメハラ(梅原大吾)氏を始め多くのプロが移行を決めた注目のコントローラー。HitBoxというのはHitBox Arcade社が発売しているレバーレスコントローラーの商品名となります。
レバーレスのメリット
- コマンド入力が理論値最速
- 同時押しがしやすい
- 入力が曖昧にならない
- 特殊入力によりコマンドが簡単に出せる
- 耐久性が高い・修理しやすい
- カスタムしやすい
レバーレスのデメリット
- 本体が大きい(設置スペースが必要)場合が多い
- 持ち運びが難しい
- 値段が高い
- 操作音がうるさい
- 運指が大変
- 斜め入力や1回転が難しい
パッドコントローラー
家庭用ゲーム機でもおなじみのコントローラー。PS4やPS5でプレイしている方は新たに購入する必要なくすぐにプレイ可能。アナログスティックも搭載されているため、昔のパッドのように斜め入力がしづらいということもなく、左手もボタン押しに使え、運指の必要がないため反応しやすいのが特徴です。また、その特性からストリートファイター6のモダン操作との相性も抜群。しかし基本的に親指で2ボタン同時押しをする必要があるため同時押ししづらいのが難点です。
パッドコントローラーのメリット
- 手軽に格ゲーを始められる
- 場所を取らない・姿勢を選ばない
- 運指の必要がない(反応が速い)
- どこでも手に入る・安い
- 持ち運びが楽
パッドコントローラーのデメリット
- コマンド入力などが難しい
- 同時押しが難しい
- 耐久性に難がある
ストリートファイター6をはじめ、PCから発売されているタイトルの中にはキーボードで操作できるゲームもあります。入力方法やメリットは基本的にレバーレスとまったく一緒になるため、レバーレスが高くて買えないという方はこちらで試しに操作する方法もあります。しかし、専用デバイスではないため、キーとキーの間が狭く誤入力が多くなりがちなデメリットがあります。
アケコン・レバーレス・パッドどれを選ぶべき?
それぞれの特長を紹介しましたが「これを使えば強い(弱い)」ということは一切ありません。現にスト6発売直後に行われた格ゲーの世界大会EVO6・ストリートファイター6の決勝トーナメントに残った6人の使用デバイスを見てみると…
1位 Angrybird - アケコン(ケン)
2位 Mena - パッドコントローラー(ルーク/ブランカ)
3位 Punk - パッドコントローラー(キャミイ)
4位 ときど - レバーレス(ケン)
5位 翔 - レバーレス(JP)
6位 ハイタニ - アケコン(モダン春麗)
上記のように、使用キャラ・クラシックorモダン問わず、見事にバラけています。さらに2月に開催されたストリートファイター最強トーナメント「カプコンカップX」では、半分以上がパッドプレイヤーでした。これはゲーセン文化に触れてこなかった若いプレイヤーが多いためとも言われており、どれも一長一短のため、如何にそのデバイスの練度を上げていくかが重要となります。自分のプレイスタイルや環境、予算などに合わせて好きなコントローラーを使うようにしましょう。
スト6のプロが使ってるコントローラーデバイスは?
名前 | 種類 | デバイス名 |
ウメハラ(梅原大吾) | レバーレス | HitBox |
ときど | レバーレス | HitBox |
翔 / かけちゃん | レバーレス | オリジナル |
ハイタニ | アケコン | Razer Panthera Evo |
ふーど | アケコン | Razer Panthera Evo |
ガチくん | レバーレス | オリジナル |
小路KOG | パッドコントローラー | Victrix Pro BFG Wireless |
板橋ザンギエフ | アケコン | オリジナル |
マゴ | アケコン | Qanba Obsidian |
ネモ | アケコン | Qanba Obsidian |
どぐら | アケコン | Qanba Obsidian |
ナウマン | レバーレス | オリジナル |
かずのこ | アケコン | リアルアーケードPro.V HAYABUSA |
竹内ジョン | パッドコントローラー | ファイティングコマンダー OCTA |
Shuto / シュート | レバーレス | PunkWorkShop |
cosa / かべ | パッド | ファイティングコマンダー OCTA |
BigBird | アケコン | Qanba Q7 Obsidian 2 |
AngryBird | アケコン | リアルアーケードPro.V HAYABUSA |
MenaRD | パッドコントローラー | DualShock4 |
Punk | パッドコントローラー | DualShock4 |
ProblemX | パッドコントローラー | ファイティングコマンダー OCTA |
おすすめのアーケードコントローラー(アケコン)と選び方
アケコンの選び方
耐久性・重さで選ぶ
アケコンはパッドコントローラーと比べて高価なのと、モデルチェンジが多いため同一モデルが手に入りづらい可能性が高いです。そのため、金属製の本体を採用した高耐久なモデルや、分解修理が容易なモデルを選ぶといいでしょう。また、本体が軽いと激しいレバー操作で本体が動いてしまうことがあるため、しっかりと重めのモデルを選ぶのもポイントです。
ボタンメーカー・種類で選ぶ
上記の耐久性などの観点からボタンはしっかりとしたものを選びたいところで、プロからの信頼の厚い「三和電子」製のボタンを採用しているモデルがおすすめです。その他にも大きさや静音性、打鍵感などで自分に合ったボタンのモデルを選ぶようにしましょう。
ボタンレイアウトで選ぶ
アケコンによってボタンの数や配置が微妙に異なります。配置は操作感そのものに直結しますし、ボタンの数が多ければ多いほど、キーコンフィグで設定できるボタンが増えるので、自分のプレイスタイルに合わせたコントローラーを選びましょう。
GADGETALおすすめのアケコン(レバーコントローラー)
【本格】PDP Victrix by PDP Pro FS Arcade Fight Stick
プロからの評価も高いアーケードコントローラー。高級機並みの耐久性を誇るアルミニウム素材、三和電子30mmボタンを人間工学に基づいたレイアウトで配置。付属のレンチを使用すれば簡単に裏蓋が開くので手軽にカスタムやアップデート、修理をすることも可能です。
レバー | リンク2ジョイスティック | ボタン | 三和電子30mm |
質量 | 3.52kg | 内部アクセス | 可能 |
素材 | アルミニウム | 対応機種 | PS5/PS4/PC |
【本格】NACON DAIJA アーケードスティック
数多くの人気パッドコントローラーを排出しているNACONから2024年5月23日に満を持して発売されるのがなんとレバーレスではなくアケコン。三和ボタンのみならず、使い分け可能な2種類のスティックヘッドを採用。手軽にカスタムできる機構、ボタンカスタマイズアプリ、脱着可能なケーブルなど、アケコンに必要な機能をすべて兼ね備えたコントローラーです。
レバー | 三和電子 | ボタン | 三和電子 |
質量 | 4.4kg | 内部アクセス | 可能 |
素材 | 不明 | 対応機種 | PS5/PS4/PC |
【本格】HitBox Arcade CrossUp
レバーレスコントローラーの雄HitBox社からリリースされているアケコン。右側に通常の8ボタンに方向用ボタンを4ボタンの12個配置し、右手を用いたレバーレスのような操作感の他にリマッピングすることでさまざまなカスタマイズが可能となり、これまで以上に効率的なボタン入力が可能となっている最新鋭のコントローラー。着脱式ケーブルやプロファイルの切り替えスイッチなど、あらゆる面で本格使用に最適なコントローラーです。
【本格】Qanba Obsidian 2
こちらも複数のプロも使用しているアーケードコントローラー。三和電子製のレバー・ボタンを採用し、本体にイヤホンジャックが搭載されているため、ヘッドセットを直接接続可能。金属製のレバートップ、本体に加えてサイドのライティングが高級感を醸し出します。※画像は旧作
レバー | 三和電子 | ボタン | 三和電子30mm |
質量 | 3.4kg | 内部アクセス | 可能 |
素材 | アルミニウム | 対応機種 | PS5/PS4/PC |
【本格】Razer Panthera Evo
EVOで6位になったハイタニ選手も使っていることでおなじみのゲーミングメーカー「Razer」からリリースされているアケコン。すでに廃盤になってしまっていますが、その性能から未だに愛用を続けているプロも多いです。ゲーミングキーボードで培った技術を採用したメカニカルスイッチのボタンを採用し、高耐久かつ高速反応を実現。天板はアクリル製でデザインシートを変更して好きなデザインにカスタムできます。※現在は生産終了
レバー | 三和電子 | ボタン | Razerメカニカル |
質量 | 2.1kg | 内部アクセス | 可能 |
素材 | アクリル / アルミニウム | 対応機種 | PS4/PC |
【中級】MADCATZ E.G.O. アーケードスティック
ウメハラ選手やときど選手のスポンサーだったことでおなじみのMADCATZ(マッドキャッツ)からリリースされているアケコン。MODフレンドリーなカスタマイズ製に加え、ターボボタンやキーロック機能、ジョイスティック操作を切り替えられるスティックモードスイッチなど、ゲームに合わせたカスタムが可能です。
【中級】リアルアーケードPro HAYABUSAシリーズ
国内メーカーHORIからリリースされているアケコンの上位モデル。重量感のある筐体に静音モデルなども用意されており、取扱店も多いため、入手が容易なため、初めてのアケコンだけど、ある程度本格的なモデルが欲しい方にオススメです。
おすすめのレバーレスコントローラーと選び方
レバーレスの選び方
基本的な選び方はアケコンと同様になりますが、レバーレスの場合メカニカルボタン(キーボードなどに採用されているキー方式)を採用することで薄型・小型化されている商品もあります。
GADGETALおすすめのレバーレスコントローラー
【本格】Hit Box
レバーレスといえばこのコントローラー。ウメハラ氏を始め多くのプロが使用しているレバーレスの代表的なモデルで、先日ときど氏もスポンサー契約を交わしました。信頼性のある三和ボタン、ケーブルの断線にも対応可能な着脱式ケーブルを採用。アプリでキーレイアウトを簡単に変更可能です。
【本格】Victrix by PDP Pro FS-12 Arcade Fight Stick
アケコンでもおすすめしたVictrix製のレバーレスコントローラー。基本的にアケコン版のレバーがボタンになっただけで仕様はまったく一緒のため、レバーかレバーレス、どちらで操作したいかで選ぶといいでしょう。
【本格】Razer Kitsune
ゲーミングメーカーRazerから2023年、新たに発売されたレバーレスコントローラー。同社キーボードにも採用されているオプティカルスイッチを採用し、最速クラスの応答速度を実現し、同社の公表値では三和ボタンが8msに対して、こちらは5ms以下。ロックスイッチや着脱式ケーブルなど、プロトーナメントに必要な機能も全て兼ね備えた注目モデルです。
【中級】punk workshop製 レバーレスコントローラー
メカニカルキーを採用し、小型・薄型のレバーレスコントローラーで信頼度の高い「パンクワークショップ」。他のレバーレスコントローラーやアケコンと比べて大変小型なため、置き場所が難しくて断念している方にオススメなモデルです。先日赤見かるびの師匠でおなじみでCrazyRacoon所属になったshuto選手のスポンサーになったことでも話題になりました。
【入門】Haute 42
中国のメーカー「Haute」から発売されているレバーレスコントローラー。他のレバーレスに加えてボタンの数が多いため、自身のスタイルに合わせたボタンセッティングが可能。安価なモデルであれば1万円前後で購入することができるのも魅力です。
【入門】ノーブランド製レバーレス
レバーレスコントローラーはその特性上、自作も可能なほど作りがシンプルなためAmazonなどの通販サイトでノーブランドおよび無名ブランドの製品が多数出品されています。メーカー製品に比べて安価で手に入るため、まずはレバーレスがどんなものか試してみたいという方はこちらから始めてみるといいでしょう。
おすすめのパッドコントローラーと選び方
格ゲー向けパッドコントローラーの選び方
ボタンレイアウトで選ぶ
タイトルやモードにもよりますが、例えばストリートファイターのクラシック操作の場合どうしても親指で押せるボタンが足りずにLRボタンに割り振らないとダメになります。そのため、アケコンのように6ボタンレイアウトのコントローラーも発売されているので、プレイしづらいと感じたら選択肢に入れてみましょう。また背面ボタン搭載のコントローラーなども瞬間的な操作が可能になるためおすすめです。
スティック・十字キー形状で選ぶ
コントローラーによって、スティックの位置や高さ、硬さなどが異なりますし、十字キーでプレイする場合でも独立型(斜めがない)と円形型の2種類があります。コマンド入力は格ゲーにおいて大変重要になるため、操作しやすいモデルを選びましょう。
GADGETALおすすめの格ゲー向けパッドコントローラー
Victrix Pro BFG Wireless Controller
アケコン・レバーレスでもおすすめしたVictrix製のパッドコントローラー。モジュールシステムを採用し、自分の好みに応じたボタンレイアウトが可能。レバーやスティックも好みに応じた形状のものに手軽に変更できるうえに、高価なパッドでありがちな故障時もモジュールを交換するだけで簡単に対応できます。
ホリ ファイティングコマンダー octa
R1・R2ボタンを前面に配置することでアケコンのようなボタン操作が可能なコントローラー。方向キーも斜め入力のしやすい円形に加え、スティックも斜めがしっかりわかる8角ガイドを採用し、名前の通り格ゲーに特化させたパッドコントローラーです。
Razer Wolverine V2
Razer製のパッドコントローラー。ボタンにメカタクタイルを採用し、カチカチとはっきりした心地の良い打鍵感が特長。LRボタン部分に3つ目のボタンが配置されており、キー割り当てをすることで独自の操作感でプレイが可能です。格ゲーに特化したモデルではありませんが、FPSゲーマーなどからも好まれているため、他のゲームも楽しみたいという方におすすめです。